桜樺 -ouka-
そして連れてこられたのは山南さんの部屋。
とても広い部屋に本棚がいくつもあり、分厚い本がびっしりと並べられていた。
山南さんらしい部屋。
『あなたはどこまでご存知で?』
「どこまでと言いますか、君は何か大きな秘密を持っていますね?普通の人が持たないような秘密を」
『………私は、桜華と呼ばれる極わずかな人種のようなんです』
「桜華……?」
『はい。丘の上に咲く桜の精から聞いた話なのですが……』
私は未来から来た事は伏せ、桜華についてと、祐の事を。知っている事全てを話した。
「非現実的です……」
『私も自分が信じられません』
「まさかそれほどまでの事だったとは…そこまでは予想できませんでした」
『あの……この事は秘密にして欲しいんです』
「……わかりました。約束しましょう」
『ありがとうございます』