桜樺 -ouka-
「じゃあ……」
『だからこそ、死にたかった』
怪訝そうに私を見ていた総司は、わけがわからないと言った表情で聞き返した。
「…今なんて?」
『死にたかった』
我ながらよくこんなセリフを普通のトーンで言えたと思う。
「何を……何言ってんだよ!!!」
突然立ち上がった総司は罵声を発した。
『っ…………ごめん…なさい』
「そんな事言わないでよ…」
『でも、ね?』
姿勢を正して、零れそうになる涙を必死にこらえて言った。
『聞いてほしいことがあるの』