桜樺 -ouka-
「何者だ」
なんだ、バレてたのね。
『何者と問われて答える人いるのかしら』
「ふっ。なんだ、小娘か。俺はな、忙しいんだ。あっち行け。さもなくば斬るぞ」
『きゃー』
私の悲鳴を聞くと、男はいわゆらドヤ顔ってやつをした。それが無性に腹が立った。
『…とでも言うと思った?』
ドッ
「な゛………き、さま……」
斬るのもいいのだけれど、斬ってしまうと服に傷がついちゃうでしょう?
だから私は溝を打ち、気絶させた。
早速男の来ていた服を脱がせるとそれを着て、藁でできた帽子を深く被った。