桜樺 -ouka-
屯所の井戸で顔をバシャバシャと洗っていると、突然肩に手を置かれた。
その瞬間、とてつもない恐怖が私を襲った。
『嫌!!!』
目をぎゅっと瞑って、無意識のうちに相手を吹き飛ばしていた。
「っ……瞳?」
目を開けると、そこに尻もちをついて驚いていたのは、総司だった。
『そ、総司っ…』
「ごめん、そんなに驚かせるつもりじゃなかったんだけど」
『ごめん、私……本当ごめんなさい。大丈夫…?』
「そんな謝らないでよ」