桜樺 -ouka-


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季節は秋。






山々が紅に色づき、イチョウやもみじの葉が散り落ちていく中、私と総司は甘味処に来ていた。






『んー!美味しいね!!』






「でしょ!ここ僕推しの店なんだ。すっごく美味しい!」






『ふふ…また来ようね』






「もちろん!」






帰り途中にあった、森が目に入り、私は駆け込んだ。






「あっ!瞳ー!!」





バッシャーン





散り積もった色とりどりの秋の葉に飛び込んだ。






『ふふっ』





「もー、何やってるのー」





私をのぞき込むようにして、頬を膨らませて言う総司の腕を引っ張った。






「おわっ!!」





『ふふーん』





「瞳って、屯所に来た時と変わったよね。なにより、笑顔が増えた…というより、ずっと笑顔だよね」





『へへ』





「なにそれ、可愛い」





『なっ/////ムゥ〜〜〜ぅおーーー!!』





照れ隠しで、総司に葉をぶっかけた。


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