桜樺 -ouka-
ここでも食べ物の取り合いをしている三馬鹿は変わらないな…
近藤さんと土方さんはいつになくにこやかで、見てるこっちまで笑顔になれそう。
山南さんは笑顔で何か斎藤さんに話しかけてるけど、相変わらず斎藤さんは静か。
「何見てるのー」
総司が、料理を口に運びながら言った。
『今更だけど、本当に好きだなって。新選組の皆が』
「僕も」
これで良かったんだよね…。
料理を食べ終えると、皆は桜の木の周りで話をしたり、走り回ったり、自由にしていた。
私はその様子を静かに見守っていた。
その時、頭の上にひらひらと桜の花びらが散った。
それは、別れの時を告げているようにも思えた。