桜樺 -ouka-



その時、風が吹いたかと思うと、桜の花びらが私を包みだした。





『もう、お別れみたいだね……』





「っ……」





『総司ありがとう……。近藤さん、土方さん
、山南さん、斎藤さん、永倉さん、平助、原田さんどうか、お元気で……』





みんなは涙を流しながらも深く頷いてくれた。





『総司………』





私の身体は半透明になっていた。





「……ん?」





総司の頬を優しく包むと、軽いキスを交わした。






『愛してる』





声は風のように消え、私もみんなの前から消えた。


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