桜樺 -ouka-
大好きなものの封印
ただがむしゃらに走っていると、綺麗な紅に塗られた橋があった。
この時代は自然を汚すものが無く、空気は澄んでるし、なにより橋の下を流れる川が綺麗。
季節は秋らしく、オレンジや赤、黄色、緑色の葉が川に流れている。
『綺麗………』
すると遠くから、2人だろうか。賑やかな声が聞こえてきた。
「いやー、何度見ても美しい刀だ」
「試しに浪士でも斬ってみろよ?ガハハ」
笑いながら恐ろしい事言うな。
「だけどよぉ、この刀……なーんか変なんだよな」
「どこがだ?別に変わった所なんてねーと思うけど」
「いや見た目じゃなくてさ…この刀持ってからやけに胸が騒ぐんだよ」
「そら興奮してるからだろ」
「んまぁそうだな!」
「それに……」
何かを言いかけた時、男達の目に私の姿が映った。