桜樺 -ouka-
再び



頭の中で何度も何度も、あのセリフが繰り返される。






“その腕にしっかりと抱きしめて”






何を?






『ん………』





「お。気分はどう?」





見たことのある光景。





そう。目の前には沖田さんがいるのだ。






『最悪です』






「ふっ。ていうかさ、昨日の夜、何で逃げたりしたの?何か後ろめたい事でもあるの?」





『別に。どうせ殺すんでしょ?だったら早く殺してください』





「………何でそんなこと言うの?」





『ここに生きる意味が無いからです』






「ここ?」






『…この時代です』



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