桜樺 -ouka-


近藤さんは私に視線をうつすとニッコリと笑って前へ出てくるよう促した。





「局長の近藤勇だ。よろしく頼む!」





『鈴木瞳です。よろしくお願いします』





「ん!みんな!!鈴木瞳さんだ!こちらの事情で預かることになった。皆、仲良くしてやってくれ!」





挨拶するなりぶわっと歓声が溢れた。





「「「「「「「「「おーーーー!!!」」」」」」」」」





再び沖田さんの元へと戻ると、近藤さんの合図で皆が一斉に食べ始めた。





誰一人として美味しそうな顔はしない。
ただ、何かを我慢をするように一点を見つめながら食べていた。





私はまず初めに、黒焦げの小魚に手をつけた。苦い。





漬物。しょっぱい。





味噌汁。味が濃い。





ご飯。硬い。



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