桜樺 -ouka-
仕事
夕餉の時間、私は台所へと向かった。
するとそこには、永倉さんと原田さん、藤堂さんがいた。
『あれ、皆さん土方さんから聞いていませんか?』
「聞いたよ〜、けど何か手伝おうかと思って!」
「あぁ、瞳台所使うの初めてだろ?」
『ありがとうございます』
いい人達、なのかな…。
料理を始めてると、3人ともナイフの持ち方は違って、まるで刀を持つかのような持ち方。それに切り方も歪(いびつ)だし効率も悪い。
食事を作るのに3人も必要な理由がわかった気がする…。
結局ほとんど私が作ることになった。
メニューはご飯、しゃけの味噌汁、あらかじめ漬けておいた漬物、そして煮物。
「すげ……美味そ………」
そう言って永倉さんはよだれを垂らしている。
「瞳って料理上手なのな!」
と、頭をポンポンしてくる原田さん。やっぱりここだとお兄さん的存在なのかな。