桜樺 -ouka-
翌朝、日の出前に起きて、庭の掃除をしていると、芹沢さんの部屋からお梅さんが出てきた。
「ふぁあ……あら、誰かと思ったら瞳ちゃんやないの」
『おはようございます』
「おはよう。うちも手伝うで」
『いえ!私一人で大丈夫です』
「そう言わんで。ほな、ほうき持ってくるな」
『ありがとうございます』
心が広いお方なんだな。
それから朝餉を作る時間まで屋敷の掃除をしていると、段々と皆が起き始めた。
やがて朝餉の用意が終わると、私は芹沢さんのお供につかわれた。