桜樺 -ouka-



八木邸へ来てから3日、皆とも大分打ち解けた頃。





「瞳ちゃん!!ちょいと散歩行きましょ?」





『いいですね』





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夕方、京の街並みを一望出来、あの桜の木が立つ丘に来た。






ここは、私が初めて人を殺した日に来たところだ。私的にはあまり来たくない所ではあったが、お梅さんがいると、何故か安心出来た。






「うちな、ここで芹沢はんに告白してもろうたんや」





芹沢さんの話をする時のお梅さんの表情はとても可愛らしい。





本当に好きなんだな。




夕焼けを眺めていたお梅さんが、不意に私を見て言った。





「…………瞳ちゃんは少ししたら土方はんの所、戻ってまうんやろ?」





『……そうですね』





「男ばかりの所だと、居心地悪いんと違います?」

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