桜樺 -ouka-




『むしろ、居心地がいいです…』





「え?」





『私、小さい頃に両親を亡くしてて』





「あっ……ごめんなさい」





『いえ、もう過去の事ですから気にしていません』




「そう………良かったらうちの事、お母さん思うてくれまへんか?!敬語もいらへん!」





『えっ』





「いや、出来たらでええんやけど……」





「なんならわしも!!敬語もいらぬ!お父さんて呼んでくれんかのぅ」





「『?!?!?!』」





突然現れた芹沢さんが、子供のようにはしゃいでやって来た。





『ありがとう……お父さん、お母さん』





すると急にお梅さんが抱きついてきた。
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