桜樺 -ouka-
ちょうど部活が終わった時、汗で髪をびしょびしょにし、首にタオルをかけてた祐が、私を見るなり不満そうな表情を浮かべた。
『何』
「おい、もうちったぁ試合見れねぇのかよー」
『結構長く居たけど』
「俺の最初のシュート見てすぐ行っちゃったろ!」
『十分でしょ』
「始まってから二分しか経ってねーじゃん!」
隣で文句を言う祐は放っておいて、私は帰りの支度をし始めた。
「ちょ、おい!置いてくなよー!」