桜樺 -ouka-
サヨナラの時
そして五日後、お母さんやお父さんとお別れをすると、私は屋敷を出た。
前川邸につくと、すぐに土方さんの部屋へいった。
『ただいま戻りました』
「あぁ。あのな……」
いつもより表情の硬い土方さん。
『大丈夫ですか?』
「…………上から、芹沢さんの暗殺が言い渡された」
『あ、暗殺…?』
「会津藩からだ。もっと早くに言うべきだったんだが…すまねぇ…
この前の大和屋放火事件が、ちぃとまずかった…暗殺は、明日決行される」
『明日………』
宴を開いて、酔ったお父さんを私が別室へと運び、沖田さんが刺すという作戦だった。
新見さんも、ほかの人がやるらしい。
『わかりました』