桜樺 -ouka-



そして芹沢鴨暗殺計画当日。




八木邸の広間では皆がワイワイぎゃあぎゃあ騒いでいた。




お梅さんは酔って、もう先に寝てしまっていた。




芹沢さんも顔を赤くし、結構酔っているようだった。





新見さんがトイレへ行くと、永倉さんと藤堂さんがついて行った。





そして私も、土方さんからのアイコンタクトで動き出した。





『…………おと……芹沢さん…部屋まで運びますね』





「ん〜?あぁ、瞳か。すまんのぅ」





べろべろのお父さんをなんとか部屋まで運び、布団に入れさせ、しっかりと瞳に焼き付けて私は部屋を出ようと襖に手をかけた。





「瞳」





『えっ………』





お父さんは、布団に入りながらしっかりとした眼差しで私を見ていた。





「少しこっちへ来てくれんか」


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