桜樺 -ouka-
『新選組は……平和な未来を切り開く、重要な道しるべになるわ』
「そうか……わしも最後まで見届けたかったのぅ…」
『…わたし知ってるのよ?!お父さんが、故意に事件を起こしてたんじゃないって…!!お父さんは…新選組を長州から守るためにやってたんでしょうっ?!
お父さんは知ってたのよね?長州が最近、新選組を狙ってるってことを…だから、新選組局長であるお父さんが何か問題を起こせば長州の標的から外れる、そう考えたんでしょ?
なのに……お父さんが死ななきゃいけないなんて……そんなのおかしいわよ…!!!』
「いいんじゃよ、瞳。これが新選組のためになったかはわからぬ。じゃがな、これがわしなりの働きなんじゃよ…。
じゃからな、瞳はわしを、最期まで見届けてほしい…」
『そんっなっっ…!!!』
お父さんの、あらゆる決意を秘めた瞳を目にすると、私はその続きの言葉が出せなかった。