桜樺 -ouka-
『うっ……お父さんと…お母さんは……私の、掛け替えのない…存在です』
「わしもじゃ。大好きじゃよ」
『!!!!』
「死ぬのなら…わしは瞳の手で死にたい…。わしの最期の願い、聞いてくれぬか…」
「うちもや」
すると、隣の部屋で寝ていたはずのお母さん
が顔を出した。
「梅……」
『お母さん!!……聞いてたの…?』
「覚悟はできてるよ?瞳、お願いや。芹沢はんを殺るならうちも一緒に殺してや」
よく見るとお母さんの顔は、泣き腫らしていた。
『っっ………』
「うちは芹沢はんと約束したんや……
死ぬ時こそ一緒や……って。
お願いや……この通り」
お母さんは深く頭を下げた。
そんな風に真剣に頼まれたら、断れないじゃない…。