桜樺 -ouka-



諦めた様子の私を見ると、お父さんは自分の持っていた刀を私に渡した。





しばらく私は、渡された刀を見つめていると、お父さんが困ったように、微笑んで言った。





「………頼む」





『っ………お父さん、お父さん…今までありがとう………』










グサッ…





「ッッ………あり、がとう……」





「ひとみ…だい、すき…よ……」





殺されたのに、幸せそうな顔の2人を見たら、今までの思い出が回想され、涙が溢れた。





『うっ…う、おと、さ……おか、さ……うぁ…うわあぁぁぁ』


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