桜樺 -ouka-
「やっぱり……あんた異国の方なんね」
『い、いや…待ってください。ここ日本ですよね?俺バリ日本人です』
「ば、ばり?……そんな事より、あんたお侍さんを知らないの?」
『もちろん知ってますよ』
少し苦笑気味で言った。
『でも時代が違いすぎません?』
侍って、江戸時代とかだろ?
平成の今に侍なんて、無縁な話だ。
刀持ってるだけでも捕まるってのに。
それなのに彼女は、呆れたような顔で言った。
「…頭打ったのね」
『打ってませんよ!!』
つーかこの部屋、この女の着物、この女の言う侍……もしかして…タイムスリップ…?
『っ………今は何年ですか…』
「ほら、やっぱ頭打ってんのよ。今は文久三年。しっかりしなさい」
文久三年……?
っていつ…!!!まぁ平成じゃねーこたぁわかる。
まずいぞ…俺、タイムスリップしちまった…!!