桜樺 -ouka-
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『………と、こんな感じ』
「大変だったわね」
『そんなん瞳も同じだろ。てか、俺達どうする』
「どうするって……そんなのわからないわよ…」
『だよなぁ………』
「ひとつだけわかるのは、私達を連れてきたのはこの木」
そう言って叩いたのは、横に立つ大きな桜の木だった。
『なんでんなことわかんだ?』
「どう見たって、あの時私たちの目の前にあった桜の木じゃない」
んー……俺にゃ桜の木の見分けなんかつかねぇけど、瞳が言うんならそうなんだろーな。
『木が俺たちを?信じらんねぇな』
「そうね……」
『つーかさ、お前。なんかあった?』