桜樺 -ouka-
瞳は、何かを決意したように、その大きな瞳に、俺をしっかりと捉えた。
「祐はこの時代に来て、人を殺した?」
『そんな事……』
“するわけない”そう言おうとした。
けど、俺は気づいたんだ。
瞳が、今にも泣きそうな顔をしている事に。
まさか………。
「私………」
『言わなくていい。お前は悪くない。この時代では人を斬るのが当たり前。俺達の時代では違った、ただそれだけだ。
お前は、悪くないんだ』
「祐………」