美魔女オネェに拾われたなら
「そろそろ、お昼休憩よね！智子さんはお弁当持参よね？」


「えぇ、いつものように電話番してるからどうぞ！」


あっちゃんとそんなやり取りしている智子さんがこちらを見て言った。


「夏美ちゃんは社長とご飯行ってらっしゃいな。私が居る時はそれで大丈夫だから、いってらっしゃい」


そう笑顔で言われたので、


「はい、では休憩いただきます」


そう言ってペコッと頭を下げてから、あっちゃんのそばに行く。

「さ、ご飯は家で食べましょ！」

そう言って私の手を引き、朝乗ったエレベーターに乗る。

このエレベーター、ペントハウスのカードキーが無いと乗れないあっちゃんの家専用だ。
会社用は隣にあり、それはこの事務所の階までしか来れない仕様だ。


専用エレベーターに乗って戻ってきたお家。
中に入ると凄く美味しそうな匂いがしてきた。


「智子さんにしっかりついて頑張ってたの見てたからね。今日は美味しい奴にしたわよ！」

そうウィンクして今朝もご飯を食べたダイニングテーブルに行くとそこには美味しそうなふわふわの親子丼が鎮座していた。

香りからして美味しいのがわかる。


「あっちゃん作ったの？お仕事もしてたよね。いつ作ったの？」

そう聞いてしまった。
事務所はパーテーションで仕切った空間で来客用の応接スペースと区切ってあるだけで事務員も社長も副社長のさっちゃんもみんな同じところで働く。

さっちゃんは十一時ごろに雑誌の仕事なのよ、行ってくるわね！と頭を撫でてから出かけていった。


あっちゃんはその後も自分のディスクにいたり、席を離れたりしつつも仕事してたのでびっくりしたのだ。


「私やサチってこんなじゃない？だからご飯は外出時に被らない以外は落ち着いて食べられるから家で食べるのよ。だから今日から夏美もそうしましょ！たまにズレたりもするけどいいかしら？」

そう聞かれて


「はい、分かりました」

答えると、

「硬いわよ！」
鼻をツンとつつかれたので


「うん、分かったよ。あっちゃん」


そう答えた。
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