美魔女オネェに拾われたなら

「はぁ、はぁ…。笑いすぎた。」


やっと落ち着いた私に、


「やーね！笑いすぎよ。」

なんてぷりぷりしつつも微笑んでるサチコさん。


「さて、ご飯作るから、ちょっと待ってなさいね？」


そう言ってキッチンに向かうアカリさんに、私は追いかけて声をかける。


「アカリさん！私、お手伝いします！」


そう言ってついて行ったキッチンは、少し広めで最新設備の整った素敵なものだった。


「あら、夏美ちゃんは料理出来るの？」


「一人暮らしで節約するには、自炊が一番ですから。」



そう答えると



「確かにそうよね！でもサチは料理に関しては壊滅的なのよ。それで私達は二人暮らしな訳。これからは三人ね！」


それはそれは嬉しそうに言うアカリさんに、私は思ったことを素直に口にしていた。


「居候させてもらう身なので、アカリさんが忙しい時は私が料理しますね。サチコさんは、向かないみたいですし…」


そう言うと、


「それは、頼むわ。サチはホンットに壊滅的だから。」

苦笑しながら呟くので了承を込めて頷いた。


「分かりました。アカリさんが忙しい時のご飯は任せて下さい」


そう言いながらアカリさんと二人で遅めのお昼ご飯を作り始めた。


「夏美ちゃん、そのレタスちぎってミニトマトはヘタ取って半分に切ってキュウリは輪切りね！」

「はい！」


私がサラダの野菜を切ってる間にパスタを茹でながら、アサリとキノコを炒めてコンソメスープで煮始めている。


サラダを盛り付ける頃にはパスタが茹で上がって、キノコとアサリの所にドカっと入る。

そして盛り付けられるパスタ。


二人でダイニングテーブルに運ぶと、運ばれてきたご飯に目をキラキラさせてサチコさんは言う。


「待ってたわ！！」


サチコさんは、ちゃんとご飯を待っていたみたい。
その様子にクスクスと笑いつつ、ダイニングテーブルの椅子に座った。


「いただきます」


そう手を合わせて食べ始めると、二人が不思議そうに見てるので、


「お二人食べないんですか？」


そう聞くと


「食べるわ！」


「いただきます」


何故かとても嬉しそうに、二人も手を合わせて食べはじめた。


なんか、誰かと一緒に家で食べるのは久しぶりで、ちょっとなんだかムズムズするけど、嫌ではなかった。