美魔女オネェに拾われたなら

「そうだったんだ。なんで戻すことにしたの?」


そう聞くと


「ん?聞きたい?」

あっちゃんの態度がなんだろう、なんかこそばゆい!
ムズムズする。

なんだろう落ち着かないんだけど。
美形が大人の色気を振りまくとか、卑怯!ずるい!
何か勝負じゃないけど勝てる気がしない。

って、そもそも勝負にならないか。

とか、考えていたらクスクスと笑う声がする。

「ん?ちょっとなんでそんな笑ってるの!あっちゃん!」


「だって、夏美が目の前で百面相してるんだよ?ころころ表情変えるもんだから。可愛くてつい、な?」

そう言って私の髪を撫でて笑ってるあっちゃんは、柔らかくて優しくてカッコイイ。
何かずるい!とにかくずるい!

「今度はすこし拗ねてるな?」
クスクス笑いながら人の表情読むのやめて!

ソファーに膝抱えてプイっとそっぽ向くと


「夏美、こっち向いて?」


くっ、美形は声まで良いのか!?

悔しい!くやしい!


でも、それでも私はこの人が好きなんだ。
嬉しいんだ、この人のそばに居られることが。
しかも、ちゃんと私を見てくれている事が感じられる。

声にも、態度にも小娘な私でも、ちゃんと分かるほど想いを込めてくれてるから…。

意地を張ったり、照れから拗ねたりしたって受け止めてくれちゃうんだ。
そこが大人の余裕なのかな。
でも私はそれでいいんだよって言われてるようなのは、甘えすぎで癪だから…。

ちょっと素直になってみようと思う。

振り返るとあっちゃんは、フワッと優しく微笑んで


「俺、初めて会った時から夏美が好きなんだ」


穏やかな顔して、柔らかい声で告げてくる。


「夏美はどうか分からないけれど、俺は多分これが人生で最後の恋だと思ってるから。夏美に全力でぶつかる。だから、これから覚悟してて?」


そう笑うあっちゃんは、どこまでもカッコイイ大人の男の人で…。


どうしよう…。


人生で初めて受けた告白は好きな人からの、ストレートで気持ちの詰まったものでした。




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