美魔女オネェに拾われたなら
「違うの、こうして明さんと一つになれた事が嬉しくて胸がいっぱいになっちゃった。そしたら何でか涙が溢れてきちゃったの」
そう言うと
「夏美、煽るなよ。そんな事言われたら、止まらなくなるぞ…」
嬉しそうに、でも少し苦しそうに言う明さんに
「止まらなくていい。明さん、愛して…」
最後の一言は明さんに飲み込まれて、キスとともに揺さぶられる。
初めての感覚に、徐々に快感が混ざる頃にはもう何も考えられずに喘がされた。
最後に互いに果てた時
「夏美、愛してる。俺の唯一の人」
そう聞こえたけれど、私もよと返せたかは分からない。
そのまま私の意識は眠りの淵に沈んだ。
目を瞑ってても分かる明るさに、眩しくなって手をかざすと顔に当たる硬いもの。
目を開けるとそこには昨日明さんに、嵌めてもらった婚約指輪が朝の光を受けてキラキラと光っていた。
それを眺めて思わず微笑むと
「おはよう、夏美」
横で優しく私を見つめる明さんに
「おはよう、明さん」
そうして朝のキスを送る。
いつもは明さんのするそれを、今日は私から。
「いいもんだな、好きな人に朝の挨拶と共にキスしてもらうの」
「そうね、良いかも。好きな人にキスをするのも」
クスクス笑いあって転がりあって抱き合って。
朝もしばらく私達はそうしてベットで過ごした。
チェックアウトの時間も迫り時間短縮と一緒にシャワーを浴びて、着替えてメイクもしてもらってホテルを出た。
明さんと繋ぐ手には光る指輪。
「あー、一つ言い忘れてた。俺はそれでいいと思ってたからだけど。実は昨日途中から避妊してない」
「はぁ!!何してんのよ!もう!」
そう口では言いつつも、私は微笑んでいた。
「仕方ないな、もう。出来てたら明さんが責任取るの早くなるんだからね!お父さんにもちゃんと言ってよ!」
私達はきっと、こんな感じで日々過ごしていくことになりそうです。