美魔女オネェに拾われたなら

「今日のお昼は何にする？」

「寒いから煮込みうどんが良いな！」

そう言うと、明さんはすぐにキッチンへと入っていった。


「それならすぐ出来るから、待ってろ？」

「うん」


そうして、リビングのソファーで膝掛けをかけて座っていると再び眠気に襲われる。
うつらうつらしていたところに、明さんから声が掛かる。


「夏美？眠いのか？お昼出来たけど、食べれるか？」

そう聞かれて、パチっと目を覚ます。


「あ、ごめんね。大丈夫！食べるよ」


「いただきます」

二人で食べ始める。

「温まるね！寒い時期は温かいのが美味しいね」

そう言いながら食べて、また片付けも明さんがしてくれる。


「ありがとう」

片付けたあとに、レモンティーを入れて持ってきてくれた。
イギリスの茶葉をお父さんが送ってくれたのだ。
さすが、アフタヌーン・ティーの習慣のある国だ。
いい香りの美味しい紅茶を飲んで落ち着くと、私は明さんに話し出した。


「あのね、ココ最近ずっと眠くて仕方なくてね。それに気づいた智子さんに言われたの。遅れてない？って。遅れてるなら調べなさいって検査薬もらってやってみたの。コレ、妊娠してるみたい…」


そう言うと明さんが固まった。

あれ？嬉しくないのかな。
もしかして、嬉しいのは私だけかな。

ちょっと凹み始めた時


「夏美！！病院！午後はそれで休みなんだな！病院、一緒に行こう！」


「やった！凄いな！俺と夏美の子がここ居るのか！」


そう言って背中から優しく腕を回してまだ平らな私のお腹に手を当てて、私を抱きしめてくれた。


あまりの出来事に思考が停止したあとに、喜びが爆発したみたいだ。

とりあえずどこに産婦人科があるのかな？

二人で検索して電話して診察予約を取って、病院へと出掛けた。


そこでビックリな出来事があるんだけど、それはまたいつか。


とにかく、私達は幸せに日々を一歩ずつ歩いている。
二人並んで…

Fin