夢を売る少年
誰も私を責める人はいなかった。

新吾の家族や親戚も、学校の友達も誰一人。

それが逆に辛かった。…私のせいなのに。新吾がいないのは私がいるからなのに…。



あの日から何日経っても景色は何も変わらない。むしろ、何事もなかったかの様に進んでいく―


新吾がいなくなっているのに…



そんな毎日に嫌けがさした。新吾のいない世界で私だけが生きていても意味がないと思った。



だから――――



「何してるの?」

「えっ?」


夕方、誰もいない教室。

窓から見えるのは様々な部活動が行われている校庭。
窓の外は内側とはまるで違う世界かのように、にぎやかで活気に満ち溢れている。


誰もいない教室―


そこで私は――――
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