心の鎮痛剤を下さい-夜間生涯学習の先生-(実話)
授業が全く頭に入らないまま、チャイムが鳴った。

泣かないようにこらえるだけで手一杯だった。


「松本さん、はじめに教科書に線引いたとこ教えるから少し残って」

「…はい」


みんな帰って行く中、先生は私の前に座り教科書を開いた。

「230ページの右側…」


マーカーを持つ指が震える



もう、このまま終わっちゃうの?

聞きたいけど聞けない…

聞くのが怖い。
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