Bedauern
再会
春。桜が散り始めた頃。

高校三年生になったばかりの私(リョウ)の話を少し。

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高2なってから、SNSで中学の頃の同級生から連絡が来た。

「久しぶり!覚えてるー?」

中1の頃のクラスメイトのタケだ。

特別仲が良かったわけでもないただのクラスメイト。

テニス部で少し背が小さくて、爽やかな少年だった。

その連絡を機によく連絡を取るようになった。

タケは優秀だ。頭の回転が早くて、何でもできて、コミュニケーションをとるのもとてもうまい。

私の趣味である一眼レフでの写真撮影も、そんなタケからの影響だ。

あの連絡があってから数ヵ月後にタケのいるバンドが出演するライブに行った。

高3の春。

タケに影響されて買ったカメラを持って街へ出る。

ライブに行くのが初めてな私は、駅でタケの彼女と待ち合わせをして行くことにした。

彼女の名前はサトちゃん。一つ年下の女の子だ。

前々からサトちゃんとも連絡をとっていたが、会うのはこの日が初めてだった。

170近くある身長に、大人っぽい服を着た、優しそうな子。そんな印象だった。

あ、あと胸ほんといいサイズ。

初めて会ったとは思えないくらい話が弾んでライブ会場までふたりで歩く。

タケとのことをたくさん聞いた。

早めに会場に着いてしまったので隣のコンビニの前でお喋り。

しばらくすると、会場から人が何人か出てきた。

「久しぶり」

目の前に立ち止まったタケらしき人物はそう言った。


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