見えない空に向かって
始業式は体育館で行われた。まだ暑くてモワッとしていて、汗が出てくる。
「梨瑚、暑いね。先生の話も長いよ。早く座りたいなあ」
「本当だね、気分悪くなっちゃいそう。」
そんな会話を梨瑚としていると、本当に気分が悪くなってきた。頭がクラクラしていて立っているのも辛い。
「心、どうしたの?汗ひどいよ!?座った方が良いんじゃない?」
「だ、大丈夫。一人だけ座ったらおかしいでしょ?」
私はそうやって梨瑚に笑ってみせたが、本当は今にも倒れそうだった。いや、倒れてしまった。目の前が回って、あれ?と思った時にはもう目の前には床があった。私はそこで意識が途切れた。
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