裏生徒会部+


凪さんが前に言った言葉を思い出す。

「自分のせいで他人が傷つくなんて一番嫌いなことなんです」

と。

きっとそれは一くんといつきくんを傷つけてしまって出来た凪さんのトラウマのようなものだ。


「私は逃げてしまったのです。お二人をまた傷つけてしまうのではないか、だからお二人のために、とそれを建前にして」

「建前に?」

「はい。本当は…お二人が傷つくことで自分が傷つくのが嫌で、自分のためだったんです」


2人のためなのであれば、仕事を続けて努力をして、また同じことが起こらないように見守らなければいけなかった。

それに、あんな顔を見れば2人が自分のことをどれだけ想ってくれているのかわかった。

だから尚更辞めずに一緒にいたほうがいい。

自分が辞めて、2人の前から消えれば2人が傷つくことがわかっていたから。

わかっていながら、2人が傷つくよりも自分が傷つくほうが怖いという気持ちのほうが強く、目を背けて逃げた。


「ですから私はもうお二人にお会いする資格はないのです」

「…でも、凪さん。凪さんは月森くんと円さんのことがあった時、私に言ったよね?2人のために何かしたいと思ったって」


月森くんと円さんが自分のせいで傷ついて別れてしまった。

そのことが凄く嫌だった。

月森くんは「凪のせいではない」と言い、円さんは泣いて謝ってきた。

状況は一くんやいつきくんの時と同じだ。

だけど、1つだけ違うことがある。

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