裏生徒会部+


いつきとメイドを1月31日に会わせる作戦は、ほとんどが運次第。

それと間を取り持った静音次第なところがあり、あまり上手くいく気がしていなかったが、どうやらなんとかなったようで、今に至る。

あとはいつきとメイドの後を追い、一に経過を連絡すればいいだけなのだが…

時間稼ぎとサプライズの場所へと導くために一が用意したというあるイベントとやらが心配だ。

内容は聞かされていないし、本当に大丈夫なんだろうか。

再び広場に目を向けると、ちょうどいつきとメイドが到着し、何やら会話を始めた。

時刻は10時50分ジャスト。

予定時間の10分前きっかりに現れるいつきとメイドはなんというか…さすがという言葉しか見つからない。

そろそろあいつもくるはず…


「しゅ…柊也……っ…間に合ってる…?まだ2人ともっ…はぁ…はぁ…いる?」

「ちょうど来たとこ。つーか…大丈夫か?」

「っ…うん」


メイドにバレないようにメイドが家を出て少し時間を置いてから静音も家を出たらしい。

途中で走ってきたようで息が上がっている。

荒れた息を整え、いつきとメイドの姿を確認するとほっとした様子で胸をなでおろした。


「今気づいたけど、メイドの奴ちゃんと私服なんだな」

「うん。最初はいつも通りメイド服で行こうとしてたんだけど、近場ってわけじゃないし私が止めたの」

「なるほど」


普段は学校まで平気でメイド服のまま来る。

よく周囲の目が気にならないものだ。


「それにしてもいつきくんと凪さんを尾行するって緊張するね…。少しでも油断したら2人にバレちゃいそう」

「色々と人間離れしてるからな」

「だよね。とりあえず2人が予定通り会ったことを一くんに連絡するね」

「ああ」


静音は携帯を取り出し、一に電話を掛け始めた。


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