裏生徒会部+


静音も同じことを考えたのか、黙ったまま頷いた。

俺は携帯を取り出し、電話を掛けるとすぐ近くで着信音が鳴る。


「はい、もしもし?」

「真夜、ちょっと左後ろを見てくれ」

「え?」


振り向いた真夜と目が合い、すぐに人差し指を口の前に出す。

すると、とっさに真夜は口を押え、電話越しでしか聞こえないような小さな声で話し始めた。


『そ、そんなところで何やってるんですかっ…!?』

「多分、真夜達がやってることに関係してると思うから、とりあえずこっちに来れるか?」

『えっ。えっと…?』

「あとの3人には…というか伊藤にだけは見つからないように来て欲しいんだが」

『わかりました。少し待っててください』


真夜が電話を切ると、すかさずと言ったように話を掛けに行く伊藤。


「真夜くんや。誰と何をこそこそ話してたのかね?」

「すまん。ちょっと急用が出来たから抜けるわ。いいか?」

「えっ!?無視!?」

「俺はいいけど」

「私も構わないぞ」

「サンキュー、悪いな。じゃ!」

「あ!待ってよ、真夜!ずるい!あたしも連れてけーって律!離してよー」

「お前は仕事があるっての。大人しくしてろって何回も言ってるだろ」


梅宮が伊藤を捕まえていたおかげで、真夜は無事に抜け出せた。


< 37 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop