裏生徒会部+
「まじかよ…俺様の計画は完璧だったはずなのに…!!」
「一くん…」
がくりと力なく床に膝をつく。
これだけ料理や飾り付けをして、場所を知らせるためと時間稼ぎのために商店街中に紙を隠して…
様々な準備を行い「完璧だ」と自信満々だった。
私も上手くいっているし、尾行もバレていないと思っていたから一くんの気持ちがわかる。
「あの…ですが、1つだけわからないことがあるんです。俺だけでなく、ナギ様も」
「はい。私もわかりません」
「なんだよ。何がわかんねーんだ」
「どうして俺とナギ様にこんなことを若達がされたのかが」
「どうしてっていつきとナギの誕生日サプライズに決まってんだろ。まぁ日付は違うけど」
「誕生日……いつき様と……そして私…の…」
「つーかおめでとーってさっき言っただろうが」
一くんの答えに2人して驚いた顔を見せる。
本命のクラッカーでは驚かなかったのに。
一くんの代わりに私が今までのサプライズ計画のことを話すと「そういうことでしたか」と今までの疑問と合致したらしく、いつきくんは納得した様子だ。
「すみません。まさか俺の誕生日を祝っていただけるとは思っていなくて…驚いたほうが良かったですね」
「ほんとにな!くそ……お前らを驚かせたかったのに…」
「ではもう一度やりましょう。次はばっちり驚きますので」
「いや演技で驚かれても俺様嬉しくねーし!」
いつきくんの差し伸べた手を掴み、一くんは立ち上がる。
サプライズは失敗してしまったけど、なんだかこのほうが一くんといつきくんらしくていいなと思う。
「なぁ」
「どうしたの?」
小さな声で話し掛けてきた柊也が指をさした方向を見ると、下を向いた凪さんがいた。