裏生徒会部+
どうしたのか気になり声を掛けようとした時、私よりも先に一くんの声が発された。
「ナギもなんで驚か…ナギ?どうした?」
「ナギ様?」
呼びかけには返事をせず、一歩、そしてまた一歩、一くんといつきくんに近づいて行く。
次に見えたのは凪さんが大きく手を広げ、2人に抱きつくところだった。
「えっおわっ!?ナギ!?」
「ナギ様っ!?一体どうされたのですかっ…」
「一様っいつき様っ……!!」
一くんといつきくん…ついでに柊也も凪さんの行動に驚いていたけど、私はあまり驚かなかった。
凪さんはきっと一くんといつきくんに再会出来て、凄く凄く嬉しいんだと思う。
一度会った時も勿論、嬉しかっただろうけど、その時は我慢していて。
だけど、今はあの2人の会話をする姿を見て、昔を思い出して、我慢せずに……
「お二人の元を離れた日からずっと…ずっと……お会い…したかったです!……いえ…本当は……離れたくなかった……!!」
「ナギ…ちゃん…」
凪さんを支える2人の手もぎゅっと力が入る。
「覚えてくれてっ………ありがとう…ございますっ」
「…忘れるわけねーだろ。俺様といつきにとってナギは家族だ。俺様もいつきもずっと会いたかった」
凪さん自身のこと、そして凪さんの誕生日のことも。
一くんもいつきくんも忘れるはずがなかった。
大切な家族のことを。
「っ……急にいなくなって…ごめんなさい……」
「もう勝手にどこにも行かないでください。…若が大泣きして大変だったんですからね」
「はぁ!?それはお前もだろいつき!!「ナギちゃんナギちゃん」ってずっと言ってうるさかったぞ!!」
「若よりはうるさくありませんよ」
先程までの感動の雰囲気はどこにいったのやら。
いつもの一くんといつきくんの言い合いが始まった。
この2人はどんな状況でもこの2人のペースになる。
「………ふふっ…変わりませんね」
凪さんの言葉に2人は顔を見合わせ、優しく微笑む。
「おかえり」「おかえりなさい」
「…ただいま」
凪さんは大好きな一くんといつきくんの2人のところへと帰ることができた。