ティールームの不思議な出来事
 でも、心の何処かでわかっていたのかもしれない。

 いつか、この日がくることを。

 気付かないふりをしていたのに。

 隠された事実に目を背けて。



 10分後、彼は現れた。

 仕事着のスーツのまま。

「お昼は?」

「会社で食べてきた」

「そう。で、話って?」

「うん・・・」

 なかなか話し出そうとしない。

「何か大事な話なんだよね。お昼休みに会おうなんて珍しいし」

 聞きたいような聞きたくないような複雑な気分。

「実はさ、来月に転勤が決まった」

「え?」

 予想外の内容に驚いた。

 だって、てっきり。

「でも、あなたのいる部署は、転勤がないんところじゃ・・・」

「それが、新しく大阪の方に営業所が出来ることになって、俺のいる部署からも何人か行くこと話が出ていたんた」

「それっていつ頃出た話なの?」

 初めて聞いた話だ。
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