ティールームの不思議な出来事
「1ヶ月前ほどなんだけれどさ。ずっと迷っていて。今朝、行くって返事をしてきた」

「そう。あなたが自分で決めたことなら、私は何も言わないし、何も言えない」

「相談しないで決めて、悪かったな」

「ううん、いいの」

 その理由に気付いている。

 相談をして来なかった理由も、そのあとに続かない言葉も。

「一緒に来てとは、言わないのね」

「・・・」

「本当は気付いていたの。気持ちが離れて始めていたことを」

 そう、わかっていた。

「ごめん。君に言わせるなんて。そして、もう1つ、隠していることがあるんだ」

「・・・大事な友人は、前の彼女なのね」

「知って、たのか?」

 彼の驚く声が帰ってきた。

「あなたの同僚が話していたのを、たまたま聞いてしまったの。でも、あなたはそう言わなかったから」

「そうだったのか」

 ここまでは現実にあった通りだ。

 でも、伝え忘れたことがある。

『ちゃんと終わりにしていらっしゃい』

 そう、終わりにする。
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