ハチミツとレモンサイダー


「……った!!」


「え?
綾どうかしたの?」


「……へ?
あ、う、ううん……!
なんでも……あはは……」




ちょっと痛いんだけど!

いきなり足踏みつけるって何事!?

シャーペンのお尻、口の中に突き刺さるとこだったじゃん!!



と、その他諸々の怒りを込めた視線を投げ飛ばす。




「やったとこで無駄なことに変わりはねーけど形だけでも勉強しとけ、見苦しい」


「……な」




じゃあ、あんたがこっち見なきゃいいじゃん!?


なによ、あたしに気でもあるわけ!?


なんて言い返す気力も無くてそれきり黙っていたけども。



なんで……あたしだけがこんなに疲弊しなきゃなんないわけ!?


リア充見せ付けられて隣には姑みたいな奴いるし!?


本当に勉強どころじゃないわ!




「……よし。
そろそろ帰るか」


「うん。そうだね」


「やっと帰……」


「薫、先行っとけ」


「……は?」




立ち上がろうとしたあたしの腕をすかさず掴んできて座らされる。


……意味、分かんないんだけど……?




「コイツはまだやんねーと足りねえし」


「そんなんアンタに決められたく……」


「お、そーかそーか!
じゃあ綾の勉強見てくれるかっ?」


「あぁ」


「ちょお……!」



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