神様の隣で、君が笑った。
 

「わ、私は……確かに先生の言うとおり、クラスにも馴染めていないかもしれません」

「あ?」

「人より、できないことも多いし……そのせいで、今みたいに、みんなに迷惑を掛けてしまうこともあります」


ゆっくりと。顔を上げて真っ直ぐに、先生を見上げた。

思うだけじゃ何も変わらないということを、私は身を持って経験してきた。

だからこそ今、変わらなきゃいけない。

陸斗くんの言葉を聞いて、そう思った。

突然口を開いた私を前に、先生は狐につままれたような顔をして固まっている。

私は一度だけ大きく息を吸い込むと、拳を強く、握りしめた。


「追いつけない部分はたくさんあるけど、私は私なりに、いつも精一杯やってます。先生は、そんなの頑張ってるうちに入らないって言うかもしれないけど……。私は、いつも必死なんです」


自分のダメなところも嫌いなところも、この数年でいくつ見つけたかわからない。

私は自分自身と向き合うたびに、変えられない現実に打ちのめされた。


「だから、私は……」


そこまで言って、私は続く言葉を必死に頭の中で探し続けた。

先生は私に謝れと言ったけど、私は別に……先生に謝ってほしいとは思っていない。

そもそも自分が蒔いた種だということはわかっている。

それでもほんの少しでいいから──私という人間の言葉に、耳を傾けてほしかった。

 
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