腹黒王太子の華麗なる策略
俺の説明にラルフは驚きの声を上げる。

「どうしてアンがフィオナに?クリス様が彼女を溺愛しているのを知られたとか?」

「狙いはアンの紫の瞳だ。お前もこの世界を創った伝説の王の話を知っているだろう?」

「ええ。父から昔聞かされたことがあります。天から舞い降りてきた古の王ラミレスは、光輝く聖剣と聖獣を使って混乱の世を収め、この世界を創ったと。その容姿は眩いばかりの銀髪に、人を惹きつける紫の瞳で……。父は生前、アンを大切に見守るようにと私に言っていました。まさか……フィオナもアンが伝説の王の血を引く者だと?」

ラルフの問いに、俺はゆっくりと頷いた。

「あのババアもだてに何百年も生きていないってことだ。それに、モコが目の前で聖獣に変身したし、これからも執拗に追って来るだろう」

「では……本当にアンはラミレス王の血を引いているのですね」

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