腹黒王太子の華麗なる策略
少し躊躇いながらディオンに質問する。すると、彼は当然のように言った。

「はあ?そんなのヤルに決まってるだろ」

ヤルって……。

「……王子のくせにそんな下品な言葉使わないでよ!」
ペシッとディオンの頭を叩く。

「いでっ!お前なあ。王子を叩くか、普通」

ディオンは顔をしかめ、恨みがましい目で私を見た。

「これは教育です。話戻すけど、好きじゃなくても、抱けるもの?」

クリスが私を抱かなかった理由を探りたくて、ディオンにさらに質問を投げかける。

「当然。男は欲望の塊だからな……って何言わせるんだよ!」

怒るディオンを無視して、私は顎に手を当て考え込む。

つまり……感情がなくても男の人は女の人を抱けるのか。

それなのに私を抱かなかったってことは、やはりクリスは私を女と思えなくて抱く気にもなれなかったってこと?
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