腹黒王太子の華麗なる策略
「クリスはね……一緒にベッドにいて、私の身体に触れることはあっても、最後まではしないんだよね。なんでかな?」

他の人には絶対に言えない話をディオンに打ち明けると、すがるような目で彼を見た。

「なんだよ。そのぶっちゃけ話。……なんで俺が兄上の夜の話を聞かされなきゃならねえんだ」

ディオンは顔を赤くしながらも不満を口にする。

「だって……不安になるんだもん」

涙目になりながらそう言い返すと、ディオンは狼狽えた。

「ま、まあ、兄上の場合は、そうやすやすと女に手は出せないだろうな。悪魔と契約してるし、抱いた女に何かあったらって思うじゃ……あっ⁉︎」

なぜか私に説明しているディオンの顔が、突然顔面蒼白になる。

「ちょっと、途中でやめないでよ!クリスが悪魔と契約って、どういうことなの?」

悪魔と契約だなんて尋常じゃない。
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