腹黒王太子の華麗なる策略
「逃がさないわよ、ディオン。王太子さまからお許しを頂いたし、さっきの続きをしましょうか?」

「いや……俺は……もう」

ディオンは首を横に振って反論するが、コレットは「さあ、戻るわよ」とニッコリ笑いながら彼を部屋まで引きずっていく。

ディオンの相手って……コレットだったんだ。

考えてみると、最近彼女は夜自分のベッドにいないことが多い。

どこで寝ているのかと思っていたけど、ディオンのところだったのか。

ディオンとコレット。

不思議な組み合わせ。

ポカンとしながらふたりを眺めていたら、身体が浮いてクリスの肩に担ぎ上げられた。

「ちょっと!クリス何するの!下ろして!」

クリスの背中を叩いて抗議すれば、彼は冷ややかな声で言った。

「勝手に抜け出すからだ」

……なんか怒ってる。

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