腹黒王太子の華麗なる策略
ラミレス王は、昨日クリスと見たオリン山に眠っているとか。

古文書に書かれている話や伝承も嘘ではないと思う。

あの山はとても神秘的だった。

棚から本を取り出すと、床に座って本のページをめくる。

探しているのは、ラミレス王の絵が描かれているページ。

勇敢な顔のラミレス王の絵を見つけ、「あっ、これだ」と笑みを浮かべた。

ニャーと可愛く鳴いてモコはまたその絵に触れる。

すると、昨日と同じ様に立体画が現れた。

「ねえ、モコ、私のお父さんってこのラミレス王に似ているのかな?」

母は記憶をなくしていて私の父のことも覚えていなかった。

私の父が今生きているのかも不明だ。

モコは私とずっと一緒にいるから、父の顔を知っていても不思議ではない。

「お前も言葉が話せたらいいのに」

< 165 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop