腹黒王太子の華麗なる策略
机に両肘をついて手を組むと、目を閉じてオリン山を透視した。

防寒具に身を包んだ小隊がいくつか見える。

腰には長剣、肩には弓矢。

戦争を始めるには人数が少な過ぎるし、わざわざ雪のあるオリン山を抜けなくてもインヴァネスを抜ける道はいくらでもある。

奴らも聖剣を探しているのか?

オリン山にラミレス王が眠るという神話や伝説をシャメルやフィオナも知っているはず。

ラミレス王の聖剣を手に入れれば、士気が上がり、国を征服しやすくなる。

昨日オリン山に行き、また、アンと一緒に古文書を見たことで、聖剣はやはりオリン山にあるという思いが強くなった。

近日中にオリン山に行こうと思ったが、これは一刻も早く動いた方が良さそうだ。

「……確かに、目障りな連中がいるな」
< 185 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop