腹黒王太子の華麗なる策略
目を開けてそう呟けば、コレットは面白そうにその漆黒の瞳を光らせた。

「ふーん、その黒い爪を見た時にまさかと思ったのだけど、やっぱり王太子さまは悪魔と契約してるのね」

隠す気はなかった。

だから、あえて否定はせず、フッと微笑する。

「馬鹿と言いたげな顔だな」

「そうね。わざわざ自分の身を滅ぼすような真似をしなくても、自分の忠実な部下に悪魔と契約させればよかったのに。あなたってもっと冷酷な人だと思ったけど、身内には甘いのね。でも……そういう人、嫌いじゃないわ」

コレットは俺を見てニヤリとする。

そんな彼女を俺は茶化した。

「お前に気に入られてもな……。俺はアンで手がいっぱいだ」
「そんなのわかってるわよ!前にあんなにつれなくされたんですもの。私が言いたいのはね、何か手助けが必要なら手を貸すわってこと!」
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