腹黒王太子の華麗なる策略
コレットはムッとしながら一気に捲し立てた。

「ほお、それはどういう風の吹きまわしだ?」

正直言って、コレットが味方につくのは有難い。

手持ちのカードが増えれば、シャメルやフィオナが何を仕掛けてきてもうまく対処できる。

だが、俺はこちらの手の内は見せず、片眉を上げてコレットの真意を確認した。

「どうせフィオナが関わってるんでしょう?私は顔を盗まれて死んだ妹のためにも、敵を討ちたいの」

コレットは唇を噛み締め、焦ったそうに言う。

彼女の話を聞いて、自分が好きだったある人の顔が頭に浮かんだ。

フィオナは永遠の若さと美を手に入れるため、綺麗な女の血を啜ってきたらしい。

たまに気に入った女の顔を奪っては、仮面のようにつけて楽しむこともあったようだ。

「……お前の妹もフィオナに顔を盗まれたのか」

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