腹黒王太子の華麗なる策略
同情するように呟けば、コレットは俺の言葉に反応して目を見開く。

「『お前の妹も』って、他にもフィオナに顔を盗まれた人がいるのね?」

「まあな」

コレットの目を見て頷くと、俺はこれからの計画の一部を彼女に話して聞かせた。

「……わかったわ。私は何かあるまで城で待機ってことね」

「そういうことだ。アンを見つけたら、ここに顔を出すよう伝えてくれ」

アンに聖剣を探しにオリン山に行くことを伝えなくては……。

モコがいた方がいい。

「仰せのままに」

コレットはわざと恭しくお辞儀をして、部屋を後にした。

席を立って、横のテーブルの上に置かれた食事に目を向ける。

皿に置かれていたのは、サンドイッチと紅茶。

それを見て、三年前のあの惨劇を思い出した。
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